米加州が行政府令:州と契約するAI企業に市民の自由とプライバシー保護を義務化
米カリフォルニア州のニューサム知事は行政命令に署名し、州政府と協業するAI企業に対してプライバシーと市民の自由の保護を義務付けた。自律兵器や監視へのAI利用を進める連邦政府の方針に対抗し、世界第4位の経済規模を持つ州の調達力で規制の基準を引き上げる狙いだ。

連邦政府がAI規制の緩和を模索するなか、カリフォルニア州は自らの調達力を武器に独自の基準を打ち出しました。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、州政府と契約するAI企業に対し、プライバシーや市民的自由を保護する安全策の導入を義務付ける大統領令ならぬ州知事令に署名しました。
この命令は全米で初とされる取り組みで、州と取引を行うAI事業者は、自社システムに不法なコンテンツや有害な偏見、市民権の侵害を防ぐガードレールが組み込まれていることを証明しなければなりません。
州政府調達をテコにした安全対策
今回の命令は、民間のAI利用を一律に禁止するものではなく、州の予算を使う調達案件を対象にしています。
同時に、検証済みの安全なAIツールについては、行政サービスの改善に向けて州機関での活用を拡大するよう指示しました。
ニューサム知事は、カリフォルニアがイノベーションの震源地であることを誇りつつも、悪用されれば市民を危険にさらすことになると強調しています。
連邦政府との対立が鮮明に
背景にあるのは、連邦政府が進めるAI方針との明確な対立です。
ホワイトハウスは今月、ビッグテックによるロビー活動を受け、州ごとの分散した規制を制限し全米統一の緩やかな規制を求める国家枠組みを発表していました。
これに対しニューサム知事は、自律型兵器や国内監視へのAI活用を企業に迫るトランプ政権の姿勢を公然と批判しました。
世界第4位の経済規模を持つカリフォルニア州の購買力を駆使し、プライバシーとセキュリティの基準を独自に引き上げる構えです。
なぜ重要か
カリフォルニア州のアプローチは極めて巧妙だと考えられます。
法制化を巡って議会やテック企業のロビイストと果てしない法廷闘争を繰り広げる代わりに、州政府が単なる発注者としての要件を変更したからです。加州の巨大な公的契約を獲得したいなら、事業者は言われた通りの安全対策を実装するしかありません。
AI開発企業にとって、これは環境規制などで見られた「カリフォルニア効果」の再来を意味します。世界第4位の経済圏の調達基準に合わせるため、結果として多くの商用モデルがこの安全基準を標準装備することになる可能性が高いと見られます。
一方で、企業にとっては頭の痛い分断も生じます。
連邦政府が国防や監視目的での活用を後押しする一方で、加州は市民権保護を厳格に求めています。軍や連邦機関の大型案件と加州の公共案件の双方を狙う大手AI企業は、相反する要求の間で難しい舵取りを迫られることになりそうです。
情報源 (2)
- @CAgovernor(新しいタブで開きます)原文x.com
- cbsnews.com(新しいタブで開きます)報道cbsnews.com