BreezeBlueが「Breeze-TTS-2」公開:初動40ms未満、テキスト指示で声質を設計
BreezeBlueが音声合成モデル「Breeze-TTS-2」の重みと推論コードを公開した。日英両言語に対応し、H100環境で初動レイテンシ40ms未満を実現する。音声参照なしにプロンプトだけで声質を生成できるほか、テキスト内に笑いやため息などの感情表現を挿入可能。コードはApache 2.0、重みは研究・非商用限定。

Breeze-TTS-2は、リアルタイム対話に特化したオープンウェイトのテキスト音声合成モデルだ。
Artificial AnalysisのTTSリーダーボードにおいて、オープンウェイトモデル首位を獲得し、主要な商用プロプライエタリモデルを上回るスコアを記録している。中英の2言語に対応し、高速な応答性と表現力豊かな音声生成を両立させている。
何ができるのか
特徴的なのは、参照音声を必要としないテキスト指示による声質生成だ。「落ち着いた語り口の穏やかな女性」といった自然言語のプロンプトを入力するだけで、ゼロから固有の声質を作り出せる。
既存の参照音声を使ったクローンにも対応しており、音色を維持したまま「もっとゆっくり、真剣な口調で」と指示を与えて抑揚や感情、話速をコントロールできる。
さらに、テキスト内に非言語表現を直接埋め込むことが可能だ。英語では丸括弧で (laugh) や (sigh)、中国語では角括弧で [笑] や [叹气] と記述すれば、笑い声やため息、咳払いなどを文脈に合わせて自然に発音する。
応答速度も実用域に達している。ウォームアップ済みのNVIDIA H100上で高速化オプションを適用した場合、初動レイテンシは40ミリ秒未満を記録する。RTFは0.32で、実時間の約3.1倍の速度で音声をストリーミング生成できる。
動作環境とセットアップ
消費リソースは比較的抑えられている。標準のEagerモードでの推論は約7.7 GiBのVRAMを消費するため、12 GB以上のGPUがあれば動作する。
静的CUDA Graphを用いた最適化をすべて有効にする場合は約14.4 GiBのVRAMが必要となり、24 GBクラスのGPUが推奨される。
推論コードはGitHub、モデルの重みはHugging Faceで公開されており、Google ColabやKaggleのノートブックも用意されている。付属のDocker構成はH100向けが基本だが、環境変数を指定すればA100向けにもビルドできる。
単一リクエスト向けのストリーミングAPIスクリプトも同梱されており、起動すると24 kHzモノラルのPCM音声をストリーミング配信できる。
ライセンスの切り分けには注意が必要だ。推論コードおよびアリババのQwen3-TTSをベースにした音声トークナイザーはApache 2.0だが、Breeze-TTS-2の重み自体とセルフホスト環境での生成物は研究・非商用目的に限られる。商用利用にはBreezeBlueの有料ホステッドAPI契約が求められる。
なぜ重要か
音声エージェントや対話型AIのプロトタイプを作っている開発者にとって、手元の12 GB GPUで40ミリ秒未満の高品質な合成環境が手に入る価値は大きい。
テキストプロンプトによる声質指示とため息などの生理的表現を、リアルタイムの低遅延パイプラインにそのまま統合した設計は合理的だ。ただしライセンスが非商用限定であるため、自前のインフラでそのまま商用展開することはできず、実サービスへ組み込む際は公式APIのコストを計算に入れておく必要がある。
情報源 (1)
- huggingface.co(新しいタブで開きます)原文huggingface.co