米超党派議員、AIによる核兵器発射を禁止する法案を提出
米国の超党派議員団は今週、人間の実質的な管理が及ばない自律型AIによる核兵器発射を禁止する法案を提出した。国防総省の既存方針を法制化する狙いで、AIが標的選定や攻撃決定を行うことを禁じ、「人間が関与する」原則を法的に義務付ける。

映画のようにAIが暴走して核ミサイルを発射する事態を防ぐため、米議会が超党派で法制化に乗り出しました。
エドワード・マーキー上院議員やテッド・リュウ下院議員らは、「自律型AIによる核攻撃阻止法案」を議会に提出しました。
法案は、人間による実質的な管理が及ばない自律型兵器システムを使って核兵器を発射することに対し、連邦予算の支出を禁止する内容です。標的の選定や捕捉をAI単独で行うことも禁じられます。
ペンタゴンの既存方針を法律に格上げ
実のところ、米国防総省は2022年の運用指針で、大統領が核兵器の使用を決定・実行するすべての段階において「人間が関与し続けること」をすでに義務付けています。
すでに軍のルールで禁じられているにもかかわらず法案を出した理由は、2021年の人工知能に関する国家安全保障委員会の提言にあります。
この提言では、国内での事故を防ぐだけでなく、中国やロシアに対しても同様の自律型核発射の禁止に合意させるよう促す手段として、明確な方針の法定化を推奨していました。
なぜ重要か
国防総省の内部規則を連邦法に格上げすることには、実質的な抑止効果があります。内部ガイドラインは政権交代や有事の判断で書き換えられる可能性がありますが、法律で予算を差し止めれば、AI主導の核発射システムの開発そのものを遮断できます。
防衛テック企業が自律エージェントの導入を急ぐなか、核の指揮統制プロセスにおける完全自動化の禁止という絶対的なレッドラインを引いた意味は大きいです。
一方で、この法制化が他国への抑止力としてどこまで機能するかは不透明です。米国内で法制化しても、地縁リスクが高まるロシアや中国が同等のコミットメントを示すかどうかは、私たちとしては懐疑的に見ざるを得ません。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com