Black Forest Labs、動画生成AI「FLUX 3 Video」をAPI公開 最長20秒で音声やリップシンクも同時生成
Black Forest Labsは動画生成モデル「FLUX 3 Video」の一般提供をAPIなどで開始した。最長20秒のHD動画(1080p対応)に加え、効果音や14言語以上に対応したリップシンク付き音声をネイティブに同時生成できる。複数アングルの切り替えや下書きモードも備える。

これまでのAI動画生成といえば、映像を作った後に別ツールで音声を生成し、さらにリップシンクや効果音を手作業で合わせるという面倒な工程がつきものでした。
画像生成モデルFLUX.1で知られるBlack Forest Labs(BFL)は、その課題を丸ごと解決しようとしています。同社はマルチモーダル動画生成モデル「FLUX 3 Video」の初期バージョンを公開し、公式APIおよび一部パートナー経由で一般提供を開始しました。
20秒生成、ネイティブ音声、マルチカット対応
注目のスペックは、最大20秒の動画クリップを一括生成できる点です。解像度はネイティブ720p(HD)で、アップスケーリングによる1080p(フルHD)出力にも対応しています。
最大の特徴は、映像のレンダリングと同時にセリフや効果音、環境音を生成するネイティブオーディオ機能です。日本語、英語、中国語など14言語以上に対応し、正確なリップシンクで発話させることが可能です。
制御性の面でも実用的な機能が揃っています。テキストや画像からの生成はもちろん、開始・終了フレームを指定するキーフレーム制御や、1回の生成内でカメラアングルやシーンを切り替えるマルチショット生成が可能です。
さらに、最大4秒の既存動画と音声を入力して続きを生成させるビデオ継続機能や、低コストで構図や動きを確認できるドラフトモードも搭載されました。ドラフトでOKを出せば、被写体や構図を完全に保ったまま高画質版を書き出せます。
BFLの社内評価によると、テキストからの動画生成では既存の最先端モデルを上回り、画像からの生成でもSeedance 2.0と並ぶトップタイの評価を獲得したとしています。
なお、同社は今後、画像編集に特化したFLUX 3 Imageや、オープンウェイト版となるFLUX 3 Devのリリースも予定していると明かしました。
なぜ重要か
今回の発表は、AI動画生成がいよいよ無声映画の段階を終え、本格的なパッケージ制作ツールに進化したことを示しています。
個人クリエイターや広告制作者にとって、最大20秒の映像に合わせたセリフや環境音が一度に出力できる価値は極めて大きいです。特にドラフトモードは、生成コストの無駄遣いを防ぐ現実的なソリューションとして重宝されるはずです。
業界全体にとっても、映像生成と音声生成を別々に競うフェーズから、マルチモーダル統合モデルとしての完成度を競うフェーズへと基準が引き上げられました。
ただし、すべてを一度に生成するアプローチには注意点もあります。映像自体は完璧でもセリフのイントネーションや背景音が気に入らない場合、個別に微修正するのが難しくなる懸念があります。また、コミュニティが最も期待しているオープンウェイト版FLUX 3 Devが未提供の段階であるため、現時点ではAPIの利用コストが実用化の鍵を握ることになりそうです。
情報源 (1)
- bfl.ai(新しいタブで開きます)原文bfl.ai