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研究

Appleが画像生成AI「STARFlow」発表、拡散モデルに匹敵する品質を実現

公開 拡散指数 31

Appleと大学の研究チームが先週、正規化流と自己回帰Transformerを融合させた画像生成システム「STARFlow」を発表した。高解像度画像において拡散モデルに迫る生成品質を達成しており、将来のオンデバイス処理や高精度な画像制御に向けた新手法として注目される。

Appleが画像生成AI「STARFlow」発表、拡散モデルに匹敵する品質を実現
画像:krea.ai

画像生成AIといえば、MidjourneyやDALL-Eをはじめ、拡散モデル(Diffusion Models)の独壇場というイメージが定着しています。しかし、Appleの機械学習チームはまったく異なるアプローチで反撃の狼煙を上げました。

Appleの研究チームは先週公開した論文で、新たな画像生成システム「STARFlow」を発表しました。カリフォルニア大学バークレイ校やジョージア工科大学などの研究者と共同開発したもので、正規化流(Normalizing Flows)と自己回帰型Transformerを組み合わせ、最先端の拡散モデルに匹敵する高解像度画像を生成できるとしています。

正規化流は単純な確率分布を複雑なデータ分布へと変換する生成モデルですが、計算コストの高さから、これまで高解像度画像の生成では拡散モデルやGANの後塵を拝してきました。研究チームによれば、この規模と解像度で正規化流を効果的に動作させたのは今回が初の成功例だといいます。

拡散モデルと一線を画す「深浅」アーキテクチャ

STARFlowがブレークスルーを果たした背景には、いくつかの設計上の工夫があります。

まず、生ピクセルを直接処理するのではなく、事前学習済みオートエンコーダーの潜在空間上でモデルを動作させています。圧縮された表現を扱うことで、計算効率を大幅に引き上げました。

さらに構造面では「ディープ・シャロー(深浅)設計」を採用しています。表現力の大半を担うディープなTransformerブロックと、計算コストが低く実効性の高い複数のシャローなTransformerブロックを組み合わせることで、効率と品質を両立させました。

何段階もの反復ノイズ除去を必要とする拡散モデルとは異なり、STARFlowは連続空間において離散化を伴わない「厳密な最尤学習」が可能です。クラス条件付き生成やテキストからの画像生成において、主要な拡散モデルに迫る品質を実証したとされています。

なぜ重要か

ユーザー視点で見ると、これは基礎研究段階の成果であり、今すぐiOSやmacOS上で試せる機能ではありません。日常のツールとして手に触れられるようになるまでには時間を要します。

それでも業界にとって注目すべき動きです。WWDCでの控えめな発表や、BloombergによるSiriの遅れに関する報道など、AppleはAI競争で後れを取っているとの批判に直面していました。他社が拡散モデルの規模拡大に追われるなか、Appleは基礎数学の領域に立ち返り、正規化流のパイオニアであるLaurent Dinh氏らを巻き込んで独自路線の研究を進めていたことが伺えます。

この取り組みは、Appleの得意とするハードウェアとソフトウェアの統合において理にかなっているように見えます。厳密な尤度を扱えるモデルは、不確実性の把握や出力の精密な制御がしやすく、デバイス上での軽量動作や信頼性が重視される業務向け用途で真価を発揮する可能性があるためです。

懸念されるのは、成熟した拡散モデルのエコシステムにどう対抗するかという点です。論文上の性能で並んだとしても、開発者やクリエイターが愛用する既存の制作環境からシェアを奪い、実際のオンデバイス機能として製品に落とし込めるかどうかは、今後の実装力にかかっています。

情報源 (1)

  1. [1]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com

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