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業界動向

アップル、Vision Pro刷新を中断:Meta対抗のAIスマートグラス開発へシフト

公開 拡散指数 62

Bloombergによると、アップルは2027年発売を予定していた軽量・廉価版Vision Proの開発を一時中断し、Metaに対抗するAIスマートグラスの開発へと人員を移管した。iPhoneと連携する画面なしモデルなど少なくとも2種類を準備中で、早ければ来年にも発表される見込みだ。

アップル、Vision Pro刷新を中断:Meta対抗のAIスマートグラス開発へシフト
画像:bloomberg.com

アップルが、巨大なヘッドセット路線に見切りをつけ、現実に人が身につけられるメガネへと大きく舵を切りました。

ブルームバーグの報道によると、アップルは先週、2027年の投入を目指して開発していた「Vision Pro」の廉価・軽量版(開発コード名:N100)の開発を一時中断することを社内に通知しました。同プロジェクトの人員を、Metaに対抗するAIスマートグラスの開発へと配置転換したとのことです。

2種類のスマートグラスでMetaを追う

関係者によると、アップルは現在、少なくとも2種類のスマートグラスを計画しています。

1つ目はディスプレイを搭載しない「N50」と呼ばれるモデルです。iPhoneと連携して使う仕様で、専用チップ、スピーカー、カメラを内蔵し、音楽再生や撮影、健康管理機能の搭載を模索しています。早ければ来年にも発表され、2027年の発売を見込んでいます。

もう1つは、Metaが発表した「Meta Ray-Ban Display」に対抗するディスプレイ付きモデルです。当初は2028年の発売を予定していましたが、同社はこちらの開発スケジュールも前倒ししようとしています。

一方で現行のVision Proは、3499ドルという高価格や重量、アプリ不足から一般への普及に苦戦しています。幹部らも社内では「過剰設計だった」と認めており、マイクロソフトやグーグルが過去に辿ったのと同様、法人向けへのシフトを進めています。ただし、FCC(米連邦通信委員会)の認証に現れた、チップを刷新した小幅な改良モデルだけは、早ければ年内にも登場する見通しです。

AIの遅れが最大のボトルネックに

アップルが直面する最大の課題は、Metaの独走と自社のAI技術の遅れです。

Metaは2021年の初代モデルに続き、2023年に発売した「Ray-Ban Meta」をヒットさせました。先月もバッテリー持ちを強化した改良版やオークリーブランドのスポーツ向けモデル、右レンズに小型画面を備えた新機種を矢継ぎ早に発表しています。

さらにスマートグラスは画面が小さく、あるいは画面そのものがないため、音声対話とAIが操作の中核になります。Apple Intelligenceの立ち上げに手間取り、Siriの大型アップデートも延期を余儀なくされたアップルにとって、ここはもっとも苦手とする領域です。アップルは早ければ3月に登場する刷新版Siriに社運を賭けています。

周辺を見渡せば、グーグルやサムスンがARグラスを開発しているほか、元アップルの最高デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏もOpenAIと組んで新デバイスを構想しており、競争は激化する一方です。

なぜ重要か

Vision Proの軽量版を棚上げしてスマートグラスを最優先にした判断は、極めて現実的で賢明な決断だと私たちは考えています。

ユーザーにとって、どれほど軽くなったとしても視界を覆う密閉型ゴーグルを日常的に着けたい人はごく少数です。それに対して、AirPodsのような手軽さで通知が届き、視線の先を撮影でき、iMessageやマップと自然に連動するメガネであれば、iPhoneユーザーにとって魅力的な日常ツールになり得ます。

しかし、発売時期が2027年以降になる見込みである点は大きな懸念材料です。その頃にはMetaが何世代もの製品を世に送り出し、レイバンなどのアイウェア市場を完全に押さえている可能性があります。アップルはこれまでも後発から市場を塗り替えてきましたが、今回は自社のAI性能が追いつくかどうかが、ハードウェアの出来以上に勝敗を分けることになりそうです。

情報源 (4)

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    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
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