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業界動向

Apple、AI動画圧縮のWaveOneを買収:動画サイズを最大半減

公開 拡散指数 39

TechCrunch によると、Apple が AI を活用した動画圧縮技術を開発するスタートアップ WaveOne を静かに買収したことが判明した。同社技術は AI で映像内容を認識し、顔などの重要領域を優先することでデータ量を最大半減させる。Apple TV+ などの配信コスト削減や画質向上につながるとみられる。

Apple、AI動画圧縮のWaveOneを買収:動画サイズを最大半減
画像:techcrunch.com

動画を見ている最中に突然画面が止まり、読み込みのグルグルマークが出るほどストレスの溜まるものはありません。従来の動画圧縮技術は何十年も同じ仕組みで動いており、新しい規格を普及させるには対応チップの登場を待つ必要がありました。

Apple は、この長年の課題を AI で解決しようとしていたスタートアップ、WaveOne を静かに買収しました。AI アルゴリズムを活用して動画圧縮を根本から変えようとしていたチームです。

Apple 側はコメントを避けていますが、WaveOne のウェブサイトは 1 月頃に閉鎖されています。共同創業者を含む複数の元従業員はすでに Apple の機械学習グループに移籍しており、同社の元事業開発責任者である Bob Stankosh 氏が LinkedIn で買収完了を報告していました。

WaveOne は 2016 年に設立され、これまでに Khosla Ventures などから 900 万ドルを調達しています。創業者の Lubomir Bourdev 氏と Oren Rippel 氏は Meta の AI 部門やコンピュータービジョンチームの出身で、Facebook の画像検索やコンテンツモデレーションを手がけていた人物です。

顔を優先して背景を削る「文脈を理解する」圧縮技術

通常の動画配信では、サーバー側で圧縮したデータを端末側で展開します。しかし新しい圧縮技術を使おうとすると、専用の再生用ハードウェアが必要になり、普及に長い時間がかかっていました。

WaveOne のアプローチは、スマートフォンや PC に標準搭載されるようになった AI アクセラレータ上で直接動作する点にあります。特定の専用チップに依存しないハードウェア非依存の設計です。

最大の特徴は、AI が動画のシーンや物体を理解して処理することです。例えば人物が話している場面では、顔のディテールを優先して綺麗に残し、重要度の低い背景のデータ量を削ることで帯域を節約します。

さらに、電波が不安定な環境にも強い設計になっています。通信が急激に悪化しても動画が完全に停止することはなく、AI が手元にあるデータから推測して補完し、ディテールを一時的に落としながら再生を維持します。複雑な映像では、データサイズを最大で半分に抑えられると主張していました。

なぜ重要か

動画配信にかかるサーバー費用と通信帯域のコストは膨大です。Alphabet 傘下の DeepMind が YouTube の動画圧縮に AI を応用し、データ量を 4% 削減しただけでも業界では大きな成果とされました。WaveOne が掲げる最大 50% という削減幅は、仮にその一部しか実現しなかったとしても、Apple にとって巨大なコスト削減につながります。

ユーザーにとっても恩恵は小さくありません。Apple TV+ の高画質配信はもちろん、FaceTime のビデオ通話が電波の悪い地下や移動中でも途切れにくくなる可能性があります。

一方で私たちが注目したいのは、端末側のバッテリー消費とのバランスです。専用回路ではなく Neural Engine などの AI 処理部を使ってリアルタイムに映像を予測・展開する場合、どれだけ電力消費を抑えられるかが実用化の鍵を握るはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

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