Anthropicが利用規約を改定:Claudeの会話データを学習に使うか選択可能に
Anthropicは個人向け利用規約とプライバシーポリシーを改定し、Free、Pro、Maxのユーザーに対し、会話やClaude Codeのデータをモデル学習に使用することを許可するかどうかの選択肢を設けた。同意した場合のデータ保持期間は30日から5年に延長される。商用やAPI利用は対象外。

安全性やプライバシーへの配慮を掲げてきたAnthropicが、ついに一般ユーザーの対話データをモデル開発に活用する方針を打ち出しました。
Anthropicは、個人向け利用規約およびプライバシーポリシーの改訂を発表しました。対象となるのは、ClaudeのFree、Pro、Maxプランを利用するユーザーと、それらのアカウントでClaude Codeを動かしているユーザーです。
最大の変更点は、今後のClaudeモデルの性能向上や安全対策のために、ユーザーが自身の対話履歴やコーディングセッションのデータ提供を許可できる選択制を導入したことです。
変更点とデータ保持期間の延長
企業向けプランやAPI利用者は今回の改訂の対象外です。Claude for Work、Team、Enterprise、政府機関・教育向けプラン、さらにAmazon BedrockやGoogle Cloud Vertex AI経由のAPIアクセスは含まれません。
個人ユーザーに対しては、オプトイン方式の選択画面が順次通知されます。既存ユーザーは2025年10月8日までに同意するかどうかの選択を迫られ、期日を過ぎると選択を完了するまでClaudeを使用できなくなります。
提供を許可した場合、新規および再開されたチャットやコーディングセッションのデータ保持期間は、従来の30日間から5年間へと大幅に延長されます。フィードバック情報も同様に5年間保持されます。
データ提供を拒否した場合は、従来どおり30日間の保持期間が維持され、モデルの学習には一切使われません。設定はプライバシー設定からいつでも変更可能です。個別に削除したチャットは将来の学習から除外されますが、すでに学習プロセスに投入されたデータを遡って取り除くことはできません。
Anthropicは5年間保持する理由として、先端AIの開発サイクルが18か月から24か月に及ぶため、長期にわたり一貫したデータ分布を維持することがモデルの挙動安定に欠かせないと説明しています。
なぜ重要か
私たちは、この動きをフロンティアAI各社が直面している「高品質な学習データの枯渇」を象徴するものと見ています。Web上の公開データだけでは限界があり、Claude Codeを介したリアルなデバッグや推論の履歴こそが、今最も価値の高い学習資源だからです。
ユーザー目線では、取り扱う内容によって判断を明確に分けるべきです。日常的な調べ物程度なら許可しても問題ありませんが、個人開発者やフリーランスが未公開のコードや機密性のあるプロンプトを扱う場合、現状は拒否設定を選ぶのが賢明でしょう。5年間のデータ保持は、個人にとって決して短くないリスクです。
業界の視点では、Anthropicが強制的な改定に踏み切らず、明示的な選択肢を残し、法人契約を完全に切り離して保護した点は賢明でした。
しかし、プライバシー重視を強みとしてきた同社が、有料のProユーザーにまで5年間のデータ保持を求めて学習リソースを確保しにきたという事実は、競争激化のプレッシャーが安全性の看板をも揺るがしつつあることを示しています。
情報源 (1)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com