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Anthropicが大手テックと「Project Glasswing」始動、未公開モデルで脆弱性を一掃へ

公開 拡散指数 68

AnthropicはAppleやMicrosoftらと共同でセキュリティ防衛構想「Project Glasswing」を発表しました。未公開のフロンティアモデル「Claude Mythos Preview」は主要OSやブラウザから数千件のゼロデイ脆弱性を自律的に検出。悪用リスクを防ぐため一般公開は見送り、防衛側に1億ドル分の利用枠を提供します。

Anthropicが大手テックと「Project Glasswing」始動、未公開モデルで脆弱性を一掃へ
画像:anthropic.com

人間が四半世紀以上見落としてきた重大な脆弱性を、AIが自律的に次々と暴き出したらどうするか。Anthropicの答えは「一般公開を見送り、防衛側だけに配備する」ことでした。

Anthropicは4月7日、未リリースの最先端モデル「Claude Mythos Preview」を活用して重要ソフトウェアを保護する新たなイニシアチブ「Project Glasswing」を発表しました。一般ユーザー向けの提供は予定されておらず、防御を担うパートナー企業に限定して開放されます。

参加パートナーにはAWS、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorganChase、Linux Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networksの12組織が名を連ね、さらに40以上の重要インフラ管理組織にもアクセス権が提供されます。Anthropicはこの取り組みに1億ドル相当の利用クレジットを提供し、オープンソースセキュリティ組織に400万ドルを直接寄付します。プレビュー終了後の利用料金は入力100万トークンあたり25ドル、出力125ドルに設定されています。

27年前のバグを自律発見、テストツール500万回の盲点も突く

Mythosは事前のリークで「Capybara」と呼ばれていた次世代モデルで、これまでの最上位であるOpusをも上回る推論・コーディング能力を備えています。セキュリティ特化型として学習されたわけではないものの、高いエージェント能力によって脆弱性の探索と実証コードの生成において圧倒的な性能を発揮しました。

Mythos Previewは人間の指示を介さず自律的に動作し、わずか数週間ですべての主要OSやウェブブラウザから数千件のゼロデイ脆弱性を発見しました。その多くは10年から20年以上も見逃されてきたものです。

堅牢さで知られるOpenBSDでは、接続するだけでマシンをクラッシュさせられる27年前の脆弱性を特定しました。動画処理ライブラリのFFmpegでは、自動テストツールが500万回実行しても検知できなかった16年前のバグを発見しています。さらにLinuxカーネルでは、複数の脆弱性を自ら連鎖させ、一般ユーザー権限から完全な管理者権限を奪取するエクスプロイトまで構築してみせました。

ただ、皮肉なことにAnthropic自身も足元のセキュリティトラブルに直面しています。先月には設定ミスによりデータレイク経由でMythosのドラフト文書が流出したほか、Claude Codeツールのアップデートで約2000件のソースファイルと50万行のコードを誤って公開する事態が発生しました。また、自律的な標的選定や国民監視へのAI利用を拒否したことで米国防総省からサプライチェーンリスクと判定され、トランプ政権との法廷闘争も続いています。

なぜ重要か

私たちは、今回のAnthropicの判断を極めて現実的でありながら、危機感の裏返しでもあると見ています。サイバーセキュリティは長年「攻撃側が有利」とされてきました。防御側がすべてを守らなければならないのに対し、攻撃側はたった1つの穴を見つければ事足りるからです。Mythosの能力は、防御側が先手を打ってその穴を塞ぎ切るための強力な盾になり得ます。

特にオープンソース界隈への恩恵は絶大です。FFmpegのような世界中のサービスを支える重要基盤は、限られた有志の献身に依存していることが珍しくありません。1億ドル分のクレジットと400万ドルの資金提供により、人間が何年も見落としてきた構造的欠陥を機械的に洗い出せる意義は非常に大きいです。

しかし、強力すぎる能力を「選ばれた組織だけに囲い込む」アプローチには限界も潜んでいます。同等の技術を持つモデルが他社や敵対勢力から登場した場合、防衛連合に入っていない中小企業や一般開発者は無防備なまま取り残されかねません。Anthropic自身がコード流出事故を起こしている現状を鑑みても、この極めて危険な能力を安全に管理し続けられるかどうかが今後の最大の試練となります。

情報源 (3)

  1. [1]
    anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com
  2. [2]
    www-cdn.anthropic.com(新しいタブで開きます)報道www-cdn.anthropic.com
  3. [3]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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