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業界動向

Anthropic、パリとミュンヘンに新拠点を開設へ 欧州売上は前年比9倍に急増

公開 拡散指数 36

Anthropic はパリとミュンヘンに新オフィスを開設すると発表した。過去 1 年で欧州・中東・アフリカ地域のランレート収益は 9 倍以上、大企業顧客は 10 倍以上に拡大しており、BMW や SAP などの導入が進む。先端 AI 各社の競争が欧州の主要産業拠点へと本格的に波及している。

Anthropic、パリとミュンヘンに新拠点を開設へ 欧州売上は前年比9倍に急増
画像:anthropic.com

欧州は規制が厳しくテック企業にとって展開が難しい市場と見なされがちですが、Anthropic にとっては最も急成長しているドル箱エリアとなっています。

米 Anthropic は、フランスのパリとドイツのミュンヘンに新たな拠点を設立する計画を発表しました。同社は最近、東京、ソウル、ベンガルールにも拠点を新設しており、欧州では既存のロンドン、ダブリン、チューリッヒに続く拡大となります。これで全世界のオフィスは計 12 都市に広がりました。

EMEA 地域の売上高ランレートが 9 倍超に急増

今回の拠点拡大を後押ししているのは、現地の圧倒的なビジネス需要です。

Anthropic によると、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域は同社で最も成長率の高い市場となっています。過去 1 年間で EMEA の従業員数は 3 倍に増加し、年換算の売上高ランレートは 9 倍以上に急拡大しました。

特に大企業顧客の伸びが顕著です。売上高ランレートが 10 万ドルを超える大口顧客アカウントの数は、過去 1 年で 10 倍以上に増加しました。

国民 1 人あたりの Claude 利用量において、フランスとドイツはいずれも世界トップ 20 にランクインしています。N26 や Lovable といったデジタルネイティブ企業だけでなく、BMW、SAP、サノフィ、ロレアルなどの欧州を代表するメガ企業が、ソフトウェア開発やネットワークのトラブルシューティングに Claude を活用しています。

クラウド大手の幹部を引き抜き、ハッカソンも支援

エンタープライズ開拓を加速させるため、経営体制の強化も進められています。

新設されるパリ拠点には、Google Cloud で 11 年の経験を持ちデータ・AI チームを統括した Thomas Remy 氏が EMEA 南部責任者として着任します。また、ロンドンを拠点とする EMEA 北部責任者には、Salesforce や Google、Slack などで 25 年のキャリアを持つ Pip White 氏が就任しました。

さらに地域コミュニティとの関係構築にも着手しています。

ミュンヘン工科大学の学生イニシアチブ TUM.ai が主催する 2 つのハッカソンを支援するほか、フランスの Unaite と連携して 2026 年に 2 つのハッカソンをサポートします。ベルリンでは LAS Art Foundation によるテクノロジーとアートの大規模展覧会への支援も発表されました。

なぜ重要か

欧州のエンタープライズユーザーや開発者にとって、国内に直接の拠点ができるメリットは非常に大きいです。技術サポートや導入時のコンサルティングを現地で直接受けられるようになり、これまで以上に試しやすい環境が整います。

業界全体から見れば、Anthropic は競合の OpenAI や大手テックに対し、欧州の伝統産業を押さえる動きを鮮明にしました。製造業や金融、ヘルスケアなど、欧州の大企業は特に信頼性と安全性を重視する傾向があります。Anthropic が掲げる「安全性と信頼性」というブランドイメージは、保守的な欧州のビジネス慣行に非常にうまくマッチしていると私たちは考えます。

一方で、欧州市場での本格展開には EU AI 規制法をはじめとする厳しいコンプライアンス要件への対応が不可欠です。現地オフィスの開設で物理的なプレゼンスを強めた分、各国の労働慣行や規制当局の監視を直接受けることになります。急激な陣容拡大に見合うだけの安定した収益基盤を維持できるかが今後の焦点になりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com

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