Anthropic、MCPをLinux Foundation傘下の新基金に寄贈
AnthropicはAI接続標準「Model Context Protocol(MCP)」をLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationへ寄贈すると発表した。OpenAIやBlockらと共同設立した基金で中立的に管理される。すでに1万以上の公開サーバーが存在し、ChatGPTやGeminiなど主要ツールへの導入が加速している。

生成AIの最前線で激しく火花を散らすライバル同士が、同じテーブルにつく異例の事態が起きました。
AnthropicとOpenAIは、決済大手Blockとともに、Linux Foundation傘下に「Agentic AI Foundation(AAIF)」を共同設立したと発表しました。支援企業にはGoogle、Microsoft、AWS、Cloudflare、Bloombergといった錚々たる顔ぶれが名を連ねています。
最大のトピックは、両社が自らの主力オープン規格を惜しげもなく寄贈した点です。Anthropicは「Model Context Protocol(MCP)」を、OpenAIは「AGENTS.md」を、Blockはエージェント開発環境「goose」を財団に提供します。
爆発的に普及する接続規格と開発指針
Anthropicが開発したMCPは、AIモデルと外部のツールやデータベースを繋ぐ、いわば「共通のUSB端子」のような規格です。公開からわずか1年で、パブリックなMCPサーバーは1万件を突破し、PythonとTypeScriptのSDKダウンロード数は月間9700万回を超えています。
すでにChatGPT、Cursor、Gemini、VS Codeなど主要ツールが採用しており、11月25日には非同期処理やステートレス化に対応した新仕様も策定されました。
一方、OpenAIが寄贈したAGENTS.mdは、プロジェクト固有のコーディング規約やビルド手順をAIエージェントに伝えるためのMarkdown形式の標準規格です。2025年8月の公開以来、DevinやGitHub Copilot、Cursorなどを含む6万以上のオープンソースプロジェクトに急速に浸透しました。OpenAIによると、CodexはGitHub上で200万件以上の公開PRのマージを支援してきた実績があります。
なぜ重要か
この動きは、乱立寸前だったAIエージェントの基盤規格を、業界全体で一本化する決定打になると考えられます。
開発者や企業にとっての恩恵は極めて具体的です。モデルごとに異なるインターフェースを書き直す無駄がなくなり、ひとつのMCPサーバーやAGENTS.mdを用意するだけで、主要なAI製品すべてに対応できるようになります。Agent開発に携わっているなら、今すぐこの標準に準拠した設計を取り入れる価値があります。
また、自社主導の技術をあえて中立なLinux Foundationに譲渡した点も極めて巧みです。独占への警戒感を払拭して業界標準の地位を確定させ、他社による独自規格の囲い込みを未然に防ぐ狙いが透けて見えます。
ただし、今後は激しく競合する企業同士がひとつの財団内で仕様の主導権を争うことになります。合意形成の遅れが生じないか、ガバナンスの実効性が試されることになりそうです。
情報源 (2)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com
- openai.com(新しいタブで開きます)報道openai.com