Amazon、動画生成AI「Nova Reel 1.1」公開:最長2分に倍増、一貫性を保つマルチショット機能も
Amazon は動画生成 AI「Nova Reel」をバージョン 1.1 に刷新し、最大生成時間を従来の 1 分から 2 分へと倍増させました。映像全体でスタイルの一貫性を保つマルチショット機能が追加され、参照画像とプロンプトで最大 20 カットの連続シーンを制御できます。

生成AIによる動画作成は、数秒の美麗なワンカットを作れても、一貫したトーンで1本の映像にまとめるのは依然として骨の折れる作業です。
こうした課題に対し、アマゾンが自社の動画生成プラットフォームで実用的な一歩を踏み出しました。AWSのデベロッパーアドボケイトであるElizabeth Fuentes氏のブログによると、動画生成プラットフォーム「Nova Reel」がバージョン1.1へアップデートされました。動画の最大生成時間はこれまでの1分から2分へと倍増しています。
スタイルを維持するマルチショット機能
今回の目玉は、単に尺が延びたことだけではありません。映像全体のスタイルやトーンを一貫して維持できる「マルチショット(Multi-shot)」機能が新たに導入されました。
Nova Reel 1.1では、最大4000文字のプロンプトを入力することで、6秒ごとのショットを複数組み合わせた最大2分間の映像を作成できます。指示が多岐にわたる場合でも、ショット間の継続性を保ちやすい設計です。
さらに、より緻密なコントロールを求めるクリエイター向けに「Multishot Manual」モードも用意されました。1280×720ピクセルの参照画像を1枚アップロードし、最大512文字の指示を与えることで、その画像をベースにした最大20カット構成の動画を生成できます。
アマゾンが進める生成AIの実装
アマゾンは現在、自社エコシステムの随所に生成AIの組み込みを進めています。ECサイトでは買い物アシスタント「Rufus」を導入したほか、Kindleや動画配信サービスでも関連技術の活用を進めてきました。
一方で課題もあります。同社は今年、スマートホーム制御や文書分析、ルーティン設定などを強化した「Alexa+」を投入しましたが、以前の発表会で示された機能の一部が未実装だったこともあり、ユーザーの期待に十分応えられていない側面が指摘されています。
今回のNova Reelの強化は、クリエイティブ制作という現場で着実な成果を示すための重要なマイルストーンと言えます。
なぜ重要か
私たちが注目すべきだと考えるのは、アマゾンが単一の超長尺カットに挑むのではなく、6秒ごとのショットを自動でつなぎ合わせる「マルチショット方式」を選んだ現実的なアプローチです。プロンプトや1枚の画像から最大20カットの映像を一括で出せる仕組みは、SNS動画や商品プロモーションを手掛ける現場の作業負荷を大きく下げる可能性があります。
ただし、今すぐすべての制作を置き換えられるかは慎重に見極める必要があります。カット間の整合性が高まったとはいえ、カメラワークの自然さやストーリーの文脈がどこまで違和感なく繋がるかは、実際の出力次第です。単なる情景のパッチワークになってしまうリスクは残ります。
それでも、競合各社が数秒間のリアリズムを競うなかで、アマゾンが「2分間の複数カット構成」という完成品のフォーマットに踏み込んだことは、他社の動画モデルにもワークフロー設計の見直しを迫る契機になりそうです。
情報源 (1)
- techtimes.com(新しいタブで開きます)原文techtimes.com