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アリババ、新モデル「Qwen3-Max-Thinking」発表 難関HLEベンチマークでGemini 3 Pro超え

公開 拡散指数 39

アリババのQwenチームが独自の推論特化型モデル「Qwen3-Max-Thinking」を発表しました。推論時の自己対話とツール自律連携を組み合わせ、難関テストHLEで49.8点を獲得。Gemini 3 ProやGPT-5.2のスコアを上回りました。

アリババ、新モデル「Qwen3-Max-Thinking」発表 難関HLEベンチマークでGemini 3 Pro超え
画像:techcrunch.com

思考型AIの競争において、推論コストと精度の両立が大きな課題となるなか、アリババが有力な対抗馬を投入しました。

アリババクラウドのQwenチームは、最新の商用プロプライエタリ推論モデル「Qwen3-Max-Thinking」を発表しました。検索対策が施された大学院レベルの難問3000問で構成される難関ベンチマーク「Humanity's Last Exam(HLE)」において、ウェブ検索を併用した状態でスコア49.8を記録。Gemini 3 Proの45.8やGPT-5.2-Thinkingの45.5を上回りました。

米Airbnbのブライアン・チェスキーCEOがかつて、OpenAIの安価な代替手段としてQwenのオープンソースモデルを活用していると公言して話題になりましたが、今回のQwen3-Max-Thinkingはオープンモデルではなく、同社独自の商用推論モデルとして企業の基幹業務利用を狙っています。

無駄な思考を切り捨てる推論アーキテクチャ

従来の推論モデルの多くは、テスト時に大量の候補を生成して最善手を選ぶ「best-of-N」サンプリングに頼りがちでした。

これに対し、Qwen3-Max-Thinkingは試行錯誤の経験を蓄積しながら段階的に思考を深めるマルチラウンド戦略を採用しています。独自の仕組みによって思考が行き詰まったことを早期に検知し、失敗ルートを最後まで走らせずに中断します。

節約された計算リソースは未解決の不確実な部分に再配分されるため、トークン消費を抑えつつ高い精度を引き出せると説明されています。博士号レベルの科学問題ベンチマークGPQAでは90.3から92.8へ、コーディングベンチマークLiveCodeBench v6では88.0から91.4へそれぞれスコアを伸ばしました。

数学的思考力を測るHMMT Feb 25では98.0をマークし、Gemini 3 Proの97.5やDeepSeek V3.2の92.5を超えました。Arena-Hard v2でも90.2を記録し、Claude-Opus-4.5の76.7を引き離しています。

思考しながら検索とコード実行をこなす

従来の思考特化型モデルは、難解な数式は解けてもリアルタイムな検索やスクリプト実行が苦手という欠点を抱えていました。

Qwen3-Max-Thinkingはこの壁を解消するため、思考プロセスと自律的なツール利用を融合させました。ユーザーから指示されなくても、必要に応じてウェブ検索、長期記憶、Pythonコード実行を自動で選択して呼び出します。

推論フェーズのなかで外部データを検索し、コードで数値を算出し、その結果をもとに論理展開をまとめるという一連の処理を1ターンで完結できます。外部の正確な情報源を参照することで、ハルシネーション(幻覚)の抑制にもつながるとされています。

なぜ重要か

これまで米国の主要ラボがリードしてきた「System 2」型の推論AI領域において、中国勢が完全に肩を並べたことを示す象徴的なリリースといえます。

開発者やエンタープライズにとっての最大の利点は、単なる数式解法にとどまらず、検索やコード実行を組み合わせた実用的なエージェントワークフローで高い性能を発揮する点です。リサーチ自動化やデータ分析など、複数の外部ツール連携が必須なユースケースであれば、今すぐ検証する価値があります。

一方で、課題も明確です。Airbnbがオープンモデルを評価したように、Qwenの強みはこれまでオープン性による普及力にありました。今回は独自APIによる低価格展開を狙っていますが、米国のエンタープライズ市場では安全保障やコンプライアンス上の懸念から、中国製モデルのAPI採用に慎重な姿勢を示す企業も少なくありません。

とはいえ、無駄な思考ステップを削ってツール連携を深めるという同社のアプローチは極めて合理的であり、推論AIの競争軸が「単なる長考」から「効率と実用ツール統合」へと移ったことを印象付けています。

情報源 (1)

  1. [1]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com

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