アリババ、画像生成AIの基底モデル「Z-Image」をオープンソース公開
アリババの通義チームは画像生成AIの基底モデル「Z-Image」を公開した。蒸留前のフルモデルで、Turbo版で課題だった構図の固定化や顔の重複を解消し、LoRAなどの追加学習に適している。生成ステップ数は50歩に増えるが、ComfyUIで即日利用可能だ。

Z-Imageは、アリババの通義チームがオープンソースとして公開した画像生成AIの基底モデルです。先行して登場していた高速版「Z-Image-Turbo」の元となる蒸留前のフルモデルであり、コミュニティによる追加学習やモデルの微調整を前提に設計されています。
Turbo版の弱点を解消したフルスペック基底モデル
アリババは2025年11月にZ-Image-Turboを公開しました。生成速度が速く、初期状態の画質が高い一方で、生成結果のバリエーション不足が大きな課題となっていました。
Turbo版は蒸留や強化学習を経ているため、シード値を変更しても構図が固定されやすく、複数人を描かせると全員が同じ顔になる問題が発生していました。そのため、独自の追加学習には不向きでした。
今回公開されたZ-Imageは蒸留前のベースモデルです。構図の固定化や顔の重複が解消され、人物の表情やスタイルの多様性が大幅に向上しました。特にイラスト表現の品質向上が目立ちます。
さらにネガティブプロンプトにもネイティブ対応し、含めたくない要素を明確に除外できるようになりました。
生成ステップ数と画質のトレードオフ
蒸留処理を省いたフルモデルであるため、運用上のコストはTurbo版より上がります。
生成に必要なステップ数はTurbo版の28ステップから50ステップへと増加し、生成時間は相応に長くなります。
追加学習を行わない素の出力状態では、総合画質評価が「極めて高い」から「高い」へと一段階下がります。装飾されていない基底モデルであるため、本来のポテンシャルを引き出すにはLoRAやControlNetの併用が基本となります。
モデルデータはHugging Face上で公開されています。画像生成ツールのComfyUIでは初日からネイティブ対応が完了しており、環境を整えればすぐにワークフローへ組み込めます。
なぜ重要か
手軽に素早く高品質な画像を1枚出したい一般ユーザーにとっては、これまで通りTurbo版や商用サービスを使うほうが快適です。手を加えていない素のZ-Imageは生成速度も遅く、単体での見栄えは調整済みモデルに劣る場合があります。
しかし、独自の画風を学習させたいクリエイターやLoRA開発者にとって、この蒸留前モデルの存在価値は非常に高いと言えます。蒸留モデルは表現の幅が狭まりがちですが、アリババが素の基底モデルをコミュニティに開放したことで、オープンソース界隈のカスタマイズ環境が大きく前進しました。
情報源 (1)
- gigazine.net(新しいタブで開きます)原文gigazine.net