オープンソースの世界モデル「Evoke」登場:14Bモデルが画像と操作からリアルタイムに世界を生成
インタラクティブ世界モデル「Evoke」が完全オープンソースで公開された。画像1枚とジョイスティック操作を入力するだけで、わずか3ステップで操作に即座に応答する動画を生成できる。パラメータ数は140億で、コードと重み(約57GB)はGitHubで提供されている。

Evokeは、1枚の静止画からリアルタイムに操作可能な仮想世界を生成するオープンソースのAI世界モデルだ。画像を1枚渡し、ジョイスティックを動かすだけで、スノーモービルの運転、カヤック、ダイビングなどをゲーム感覚で操作でき、モデルがその動きに合わせた動画を即座に描き出す。
何ができるのか
使い方は極めて直接的だ。画像を読み込ませてコントローラーを入力すると、操作に応じた動画がほぼ遅延なく生成される。
生成の途中でテキストプロンプトを差し込める点も大きな特徴だ。移動中に「気球を追加して」「オーロラを出現させて」と入力したり、遠くの火山を噴火させたりしても、映像が途切れることなくそのまま新しい要素が反映される。
さまざまなアートスタイルや物理環境に対応しており、単なるデモにとどまらず、ロボットの学習用合成データ生成ツールとしても有用だ。病院や介護施設での移動、水難救助、極限環境での作業など、実写データが集めにくい場面のシミュレーション動画を量産できる。
仕組みと動作環境
Evokeが準リアルタイムで動く理由は、拡散プロセスの推論をわずか3ステップに圧縮し、さらにCFG(Classifier-Free Guidance)を完全に排除して1ステップあたりの計算量を半減させた点にある。
また、長時間の生成でメモリが枯渇する問題を避けるため、空間の幾何情報を外部のポイントクラウド型ステートバンクに保存する構造を採用した。視界に必要な情報だけを取り出すため、セッションを何時間続けてもコンテキスト長が膨らまない。
世界モデルの評価指標であるWBenchで最高水準(SOTA)のスコアを記録しており、Nvidia H200を1枚使った場合、384×640解像度の動画1.5秒分を2.11秒で生成できる。5台のH200環境では1.34秒まで高速化される。
パラメータ数は140億(14B)で、モデル全体の容量は約57GB。コードと各学習段階の重みはGitHub(AlayaLab/Evoke)にてApache 2.0ライセンスで完全公開されている。実行にはPython 3.10、CUDA 12.4、DeepSpeed、Flash-Attentionが必要となる。
なぜ重要か
GoogleのGenie 3をはじめとする世界モデルの多くが非公開にとどまる中、Evokeは数時間規模の整合性を保てるインタラクティブモデルを学習重みごと完全にオープン化した。
57GBというサイズゆえに家庭用PCや一般的なゲーミングGPUで手軽に動かせる代物ではないが、エンタープライズGPUを保有するロボット工学や自律AIの研究チームにとっては、今すぐ検証する価値がある強力な基盤だ。
情報源 (2)
- github.com(新しいタブで開きます)原文github.com
- youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com