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英総選挙に初のAI候補「AI Steve」が出馬へ、本人は「操り人形」として登院

公開 拡散指数 39

NBC報道によると、英実業家スティーブ・エンダコット氏が「AI Steve」として来月の英総選挙に出馬する。Neural Voiceの技術で有権者と24時間対話し政策を策定。本人は物理的な代理人にすぎず、議会ではAIと有権者の決定通りに投票すると説明している。

英総選挙に初のAI候補「AI Steve」が出馬へ、本人は「操り人形」として登院
画像:nbcnews.com

来月行われるイギリスの総選挙で、有権者は投票用紙に前代未聞の名前を見つけることになりそうです。

その名は「AI Steve」。英南部ブライトン・パビリオン選挙区から下院議員を目指して正式に出馬した、AIの候補者です。裏で動いているのはサセックスの起業家スティーブ・エンダコット氏で、彼自身の役割はあくまで「肉体を持った代理人」にすぎません。本人は「議会に行くのは生身の自分だが、自分をコントロールするのはコパイロットであるAI Steveだ」と説明しています。

24時間選民と対話するAI

エンダコット氏は、アバター型の音声アシスタントを企業向けに開発するNeural Voice社の会長です。AI Steveは、同社の技術デモとして作られた7つのキャラクターのうちの1つでした。

選民は公式サイトにアクセスし、音声やテキストでAI Steveと政策について自由に議論できます。事前にインプットされた政策データをもとにLLMが回答し、まだ方針が決まっていない問題については、AIが自らネットを検索した上で「あなたはどうすべきだと思いますか」と逆提案して意見を吸い上げます。

X(旧Twitter)上で話題になると、公開初日の夜だけで約1000件の電話相談が殺到しました。有権者から寄せられた関心事は、パレスチナ問題、ゴミ箱の設置、自転車専用レーン、移民、中絶の順に多かったといいます。

わざわざ戸別訪問をして嫌がられる旧来の政治スタイルと違い、有権者が話したい時にいつでもコンタクトできるのが最大の強みだとエンダコット氏は主張します。

「検証者」による毎週の採点システム

さらにユニークなのが、政策を決定する仕組みです。エンダコット氏は、日々の通勤者など一般市民を代表する数千人の「検証者」を集めようとしています。

彼らには毎週、各政策を1点から10点で評価してもらい、支持率が50%を超えたものだけを正式な党の方針として採用します。エンダコット氏は、議会での自身の投票行動もすべてこの有権者スコアに従うと明言しています。

エンダコット氏は2022年の地方選に保守党から出馬して500票未満で落選した経歴があります。今回は自身の新党「Smarter U.K.」の登記が間に合わず無所属での出馬となりました。中道派を自称し、主たる目標は炭素排出量の削減だと語ります。

米ワイオミング州シャイアンの市長選でAIに判断を委ねると宣言した候補や、2年前にデンマークで誕生したAI主導の政党など、類似の試みは世界でも出始めていますが、国政選挙の投票用紙にAIが直接載るのは極めて異例です。

なぜ重要か

AI議員というアイデアは一見すると単なる話題作りに見えますが、4〜5年に一度しか民意を反映できない間接民主主義への強烈なアンチテーゼでもあります。住民がいつでも要望を投げ込み、政策形成に関われる仕組みは、政治参加のハードルを一気に下げてくれます。

一方で、週次のオンライン投票で過半数を取れば方針化するという設計は、組織票やノイズに極めて脆弱です。外交やインフラ、財政などの複雑な課題を、単純なネット採点の多数決で判断することには大きなリスクが伴います。

私たちは、AI Steveが来月の総選挙で議席を獲得する可能性は極めて低いと見ています。しかし、LLMを「原稿執筆」ではなく「膨大な有権者の声を整理する窓口」として活用するアプローチは非常に合理的です。この試みをきっかけに、既成政党がAIを民意収集ツールとして本格導入する流れは間違いなく加速するはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    nbcnews.com(新しいタブで開きます)原文nbcnews.com

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