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研究

豪大学ら、動物と車の衝突を防ぐAI路側システム「LAARMA」開発 コードを公開へ

公開 拡散指数 31

シドニー大学などのチームが、野生動物と車の衝突を防ぐAI路側警報システム「LAARMA」を開発した。カメラやLiDARを備え、自己教師あり学習でヒクイドリの検知率を78.5%まで向上させ、車両を最大6.3km/h減速させた。コードはGitHubで無償公開され、世界中の保護活動に応用できる。

豪大学ら、動物と車の衝突を防ぐAI路側システム「LAARMA」開発 コードを公開へ
画像:techxplore.com

LAARMAは、野生動物と走行中の車両による衝突事故を防ぐために開発された、オープンソースのAI路側監視・警報システムだ。

シドニー大学オーストラリア・ロボティクス・センター、クイーンズランド工科大学(QUT)、クイーンズランド州運輸幹線道路省が共同で開発した。路肩のポールに低コストなセンサーユニットを設置し、動物を検知するとリアルタイムで電光掲示板を点滅させ、ドライバーに減速を促す。

仕組みと自己学習AI

ハードウェアには、ポールに設置されたRGBカメラ、赤外線サーマルカメラ、LiDARの3種類のセンサーを組み合わせている。これにより、薄暗い時間帯や激しい雨、茂みの影などに隠れた動物も逃さず捉える。

ソフトウェア側の最大の特徴は、自己教師あり学習の採用にある。一般的な画像認識モデルのように人間が大量の画像にアノテーションを施す必要がなく、システム自身が稼働しながら認識精度を高めていく仕組みだ。

現場で動物を捉えるたびに、影の落ち方や悪天候での見え方、素早い動きのパターンを自律的に学習する。設置期間が長くなるほど、環境に適応して賢くなっていく。

実証実験とドライバーの減速効果

研究チームは、絶滅危惧種である大型鳥類ヒクイドリの交通事故が多発するクイーンズランド州北部のクランダで5か月間の実証実験を実施した。この地域では1996年以降、記録されているだけでも174羽のヒクイドリが車にはねられて命を落としている。

運用開始当初、初見での検知率はわずか4.2%にとどまっていた。しかし自己学習を重ねた結果、実験終了時には100メートル圏内での検知率が78.5%まで急上昇し、特定条件下での検知精度は97%に達した。期間中の目撃検知回数は287回を超えた。

また、事故防止にはドライバー側の行動変容が不可欠だ。常設の黄色い警戒標識は見慣れると無視されやすいが、LAARMAは動物が現れた瞬間だけ電光掲示板を点滅させる。実証実験では、警告表示時に車両の平均走行速度が最大6.3km/h低下することが確認された。

コードの公開と応用

LAARMAのAIコードは、GitHubを通じて全世界に無償でオープンソース公開される。

チームによれば、アルゴリズムはヒクイドリ専用にとどまらない。ネパールのレッサーパンダ、ブラジルのオオアリクイ、東南アジアのセンザンコウ、中央アジアのユキヒョウなど、道路によって生息地が分断された世界中の希少動物の保護に向けて、各国の研究者や行政がモデルを再学習して活用できる。

なぜ重要か

野生動物の保護活動は常に予算不足に悩まされており、高額な商用センサーの配備は容易ではない。LAARMAが優れているのは、低コストなセンサー構成と人手のアノテーションを不要にする自己学習AIを組み合わせ、導入ハードルを劇的に下げた点だ。

道路管理者や保護団体にとって、すぐに自前の現場へ応用できる有力な選択肢になるだろう。野外での給電や通信、耐候性といったハードウェア面の整備は依然として必要だが、リアルタイム検知と行動科学に基づく警告を組み合わせたこの仕組みは、世界中のロードキル対策を前進させる大きな一歩だ。

情報源 (1)

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    techxplore.com(新しいタブで開きます)原文techxplore.com

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