InternScienceが「Agents A1」公開:35Bで超巨大モデルに迫るエージェント特化MoE
InternScienceが自律的な複数ステップ実行とツール呼び出しに特化した35B MoEモデル「Agents A1」をオープンソース公開した。GAIAなどの主要ベンチマークで超巨大モデルに匹敵する性能を示し、21GBのQ4量子化版を使えば民生用PCでもローカル実行できる。

Agents A1は、InternScienceがオープンソースで公開した350億パラメータ(35B)のMixture-of-Experts(MoE)型エージェント特化モデルだ。複数ステップにわたるタスク分解や長期のWeb探索、外部ツールの自律的な呼び出しを担うために設計されている。
通常の会話型AIとは異なり、目標を与えるだけでモデルが自律的に計画を立て、コード実行環境や検索エンジンを呼び出しながら、途中の実行結果に応じて戦略を修正して作業を完了させる。
何ができるのか
公開されたベンチマーク結果によると、Agents A1は35Bという中規模サイズでありながら、1兆パラメータ級のフロンティアモデルに迫るスコアを記録している。
一般的なエージェント性能を測るGAIAでは96.0点、指示追従のIFEvalでは94.8点、IFBenchでは80.6点をマークした。長期検索タスクのBrowseCompでは75.5点、エンジニアリング系のXBench-DS-2510では86.0点に達している。
特に際立っているのが高度な科学推論だ。ツール併用時のHumanity’s Last Exam(HLE)で47.6点、FrontierScienceのオリンピック部門で79.0点、物理競技ベンチマークHiPhOで46.4点を記録した。同サイズ帯のQwen 35Bを明確に上回るだけでなく、特定の難関テストではGPT-5.5、Kimi K2.6、DeepSeek V4 Proといった超巨大モデルを上回る成果を示している。
この性能は、全領域SFT、領域別教師モデルの学習、そして行動と検証結果をフィードバックする多領域オンライン蒸留という3段階の学習手法によって実現された。
動かし方とハードウェア要件
Agents A1のモデル重み、評価コード、技術レポートはHugging Face上で公開されており、コンテキスト長は最大262Kに対応する。Transformers、vLLM、SGLangなどの主要フレームワークでそのまま動かせる。
SGLangを使用する場合、公式が案内するコマンドを打つだけで、推論パーサーとツール呼び出し用パーサーを備えたOpenAI互換APIサーバーをローカルに立ち上げられる。
動作環境のハードルも現実的だ。標準版の容量は約70GBだが、37.7GBのFP8版や、わずか21GBに抑えられたQ4量子化版も用意されており、民生用の上位GPUで十分にローカル実行できる。Mac向けにはmlx-communityによる量子化版が提供されているほか、さらに軽量な4B版も登場している。
なぜ重要か
データプライバシーを保ちつつ、クラウドのAPI課金を抑えて自律型エージェントを構築したい開発者にとって、Agents A1は今すぐ検証に値する極めて実用的な選択肢だ。
超巨大モデルを振り回さなくても、ツールの呼び出し手順や推論プロセスの蒸留を突き詰めれば、35Bクラスのローカルモデルでも実務レベルのエージェントが動かせることを実証した意味は大きいと私たちは考えている。
情報源 (1)
- huggingface.co(新しいタブで開きます)原文huggingface.co